FXはメンタルがすべて

プロの機関投資家だけでなく、アマチュアの個人トレーダーの多くが、システムトレードを取り入れるようになりました。
なぜならFXは、メンタル管理が極めて重要であり、感情を介入させない運用の方が効率的だからです。
本節では、FXにおけるメンタル管理の難しさについてお話ししたいと思います。
どんな教訓も、欲望の前では無意味
「喉元過ぎれば熱さ忘れる」ということわざがあります。
FXの難しさは、ズバリこの言葉に集約されていると言ってもいいでしょう。
FXはゼロサムゲームであり、またマネーゲーム。
麻雀のように運要素はあるといえど、ゲームである以上セオリーや勝率の高い勝ちパターンがいくつも存在します。
ではなぜ、それらを経験の糧として、勝ちきることができないのでしょうか。
その理由はシンプルに、稼ぎたいという欲望に負けてしまうからです。
例えば、長い時間をかけてひとつの勝ちパターンを身につけたとしましょう。
さてここから、その勝ちパターンを今後もずっと遵守できるでしょうか。
いきなりドル円が100円から90円になった時、これはお買い得だと思って、手を出したりしないでしょうか。
一切気を緩めず、自分のルールを守りきれる人というのは、僕が知る以上そうそういません。
だからこそFXは難しいのです。
メンタルの影響が分かるトレード実験
FXとメンタル管理について、もうひとつ興味深い話を紹介しましょう。
長年相場で経験を積んだ熟練トレーダーと、FXについて何も知らないサル、どちらの運用が上手くいくのか、とある調査が行われました。
普通に考えて、サルに運用を任せたところで勝てるはずはありません。
ところが結果は、運用の結果について、両者あまり変わらずといった具合でした。
熟練トレーダーは人間である以上、欲望があり、なんとか資産を増やそうと奮闘します。
その一方で、お金に対して何も欲望を持たないサルは、ポチポチとルールも分からず適当にトレードを繰り返していました。
つまるところ、ガチガチに理論武装してトレードしようが、適当にトレードしようが大差なく、いかなる勝ちパターンも、メンタルが備わっていなければ無意味となるのです。
だからこそ、感情を介入させないシステムトレードが、人間を凌駕するのは当たり前のことであり、これに気づけない人がFXで負け続けるのです。
詳しくは、投資に関する不滅の名著『ウォール街のランダムウォーカー』にて紹介しておりますので、興味のある方は是非ご一読されてみてはいかがでしょうか。